FAQ
写真:左右 エンジンフロントカバー(通称:オカメ?)内の電装品(年式・車種により異なる)
写真:左右 2本サス(初期型)の メインフレームの電装品
写真:左右 モノサスのメインフレームの電装品
・セルモータのマグネット剥離
2V−OHVのセルモーターは、モノサス?あたりからBOSCH製よりVALEO製へ変更されました。変更理由は、判りませんが
(始動時のトルク向上?)、古い年式の車両でVALEO製のセルモータは、よく壊れると言われています。
壊れる原因としてあるのが、「セルモータへの負荷」「振動」「エンジンの熱」「寿命」「セルモータの不良」etc...などが挙げられます。
では、なぜVALEO製より古いBOSCH製のセルモーターの故障より、VALEO製のセルモータの方が故障が多いのかというと、
� �� セルモータ自体の構造の違いがあります。
VALEO製のセルモータは、国産車に使用されているセルーモータと同じ構造で、回転子の周辺に永久磁石が取り付けられて
います。ですが、VALEO製の場合、永久磁石の固定方法に問題が有り、故障原因の一つになっています。
国産車のセルモータの場合は、永久磁石の固定方法にビス止め等の方法を使用していますが、VALEO製の場合は、接着剤で
固定しているだけになっています。
その為、いろいろな要因で永久磁石を固定している接着剤がその機能を失い、マグネット剥離と言う惨事を引き起こすようです。
一方、BOSCH製は� �永久磁石をボルトで固定している為、マグネット剥離という問題は発生しません。
ただし、BOSCH製は、VALEO製より回転する力があまりありません。
MEMO
・マグネット剥離に似た症状(セルモータが回らない)に、遊星ギアの固着等が有ります。
・マグネット剥離が発生する前に前兆(マグネットの一部が剥離している)として、セルモータの使用時に異音がしますが、
いきなりマグネット剥離(複数のマグネットがいきなり剥離する)を起こす場合も有ります。
・マグネット剥離したセルモータは、一応修理可能なので、セルモータを交換しても手元に残すことをお勧めします。
� �� ・VALEO製のセルモータからBOSCH製のセルモータへの交換は可能です。ただし、セルモータの固定方法が若干異なる
ので、取り付けようのステー等が必要になる場合が有ります。(BOSCH製からVALEO製への交換も可能です。無加工で)
・セルモータの固定ボルトからバッテリー等へアーシングすると、セルモータ及びバッテリーへの負荷が減るかも知れません。
(セルモータは、エンジンブロックにアースしている為)
・セルモータの遊星ギアへグリスアップを行なうと、遊星ギアの固着等が減ります。
・セルモータの分解時は、ブラシホルダーの取り外しに注意してください。(プラスチック製で� ��れやすい)
写真:左 セルモーターカバーを外した状態 写真:右 ブラシホルダー
・レギュレーター
レギュレータは、オルタネーター(発電機)で発生した電気の出力電圧を、一定の電圧以上(14.5V)にならないように制御しています。
2V−OHVで使用されているレギュレータは、全部で4種類あり、まず2本サス初期型で使用されている機械式(内部のリレーで制御)
と、2本サス後期型やモノサス等で使用される電子式(IC内蔵)の2種類に別れます。
それぞれのレギュレータは、さらに充電開始電圧の違うものが2種類あります。
レギュレータは、タンク下のメインフレームにあります。
MEMO
・4種 類のレギュレータは、2V−OHV全車種に装着することが出来ます。
・USA製の高出力タイプのレギュレータに、充電電圧を調整ができるレギュレータ(電子式)があります。
レギュレータのテスト
レギュレータが故障?と思われる場合の、確認方法です。
(但し、レギュレータが原因によりバッテリーが充電されない場合です。過充電かどうかは、充電中のバッテリー電圧を確認します。)
@エンジンを始動し、充電が開始される回転数(約1200rpm)まで回し、インジケーターランプのバッテリーチャージランプが点灯
していることを確認します。(点灯しない場合は、充電されています。)
� �� A下の写真の、テストコード準備(作成)します。
(7〜8Cmの適当な配線の両端に、オス型の端子を繋いだだけです。)
機械式のレギュレータとテストコード
Bガソリンタンクを降ろし、レギュレータに接続されているコネクタを外します。
C外したコネクタのD+側とDF側に、Aのテストコードを繋ぎます。(直結状態)
D再度エンジンを始動し、充電が開始される回転数(約1200rpm)まで回し、インジケーターランプのバッテリーチャージ
ランプを確認します。
(チャージランプが消えた状態なら、レギュレータの故障になり、点灯しているようなら、レギュレータ以外の故� ��になります。)
・ダイオードボード(正式には、レクチファイアーと言いますが、ここではダイオードボードと呼んでいます)
ダイオードボードは、エンジンのフロントカバー内にあり、オルタネーターで発生した交流電流を直流電流に変換を行ないます。
充電系のトラブルで発生しやすいのが、このダイオードボードの故障があります。ほとんどの原因が、エンジンの熱による劣化と、
振動によるダイオードボードの故障があります。
また、モノサス等ではダイオードボードを固定するボルトが防振ボルト?(ボルトの真ん中部分がゴム)になっていて、エンジンの
熱でゴムの部分が劣化・破損し、故障の原因 である「振動による破損」の発生源になっているそうです。
2本サスの場合は、普通のボルトで直接固定しています。(ボルトが緩んで、ダイオードボードが破損する可能性はあります。)
また、ダイオードボード固定用の穴の上段2つは、ボディーアースとして使用されており、2本サスは直接エンジン本体へアース
いて、モノサスは、固定ボルトとダイオードボードの間にあるアース線により、エンジンへアースを行なっています。
まれに、このアース部分が接触不慮を起こし、充電不慮を起こします。
MEMO
・フロントカバーを開ける場合、バッテリーの−端子を外して作業してください。
・ダイオードボードの固定ボルト(防振タイプ)は、現在、対策品が社外品で販売されています。
(防振ボルトは、セルモータ側で固定されているので、セルモータカバーやセルモータを外す必要があります。)
・社外品(USA製)で、高性能のダイオードボードが販売されています。
ダイオードボードのテスト
充電不慮が発生した場合、ダイオードボードのテストを行ないます。
ダイオードボード
@バッテリーの� ��端子を外し、フロンとカバーを外して、ダイオードボードを取り外します。(外した配線の位置を、記録してください。)
Aダイオードボードを上の写真の様にします。
B写真の"A"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当てていきます。
3個所全部でテスターが反応することを確認してください。(反応が無い場合は、ダイオードボードの故障です)
C次に、写真の"B"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当てていき、
3個所全部でテスターが反応しないことを確認してください。(反応がある場合は、� �イオードボードの故障です)
D次に、写真の"D+"の部分にテスターの(−)端子をあて、テスターの(+)端子を写真の"W・V・U"の部分へ順番に当ててい、
3個所全部でテスターが反応しないことを確認してください。(反応がある場合は、ダイオードボードの故障です)
E最後にダイオードボードを裏返し、それぞれのダイオードの半田が外れていないか確認してください。
※上記のテストを行なって問題がない場合、ダイオードボード以外の故障になります。
・オルタネータ
オルタネータは、フロントカバー内にあり、クランクシャフトの先端に取り付けられているローターと、ロータを囲むように取� �付け
られたステータコイルから構成されています。
オルタネータは、ロータが回転することでステータコイルで交流電流を発生させるしくみになっています。(モータの逆の原理です。)
年式が古い車両は、このロータが断線し発電不慮を起こすことがあります。(まれに、ステータコイルが断線する場合があります)
また、ステータハウジング(ステータコイルを取り付けたケース)に取り付けられたカーボンブラシの摩耗や、カーボンブラシを
押さえるスプリングがへたり発電不慮を起こします。
MEMO
・フロントカバーを開ける場合、バッテリーの−端子を外して作業してください。< br/> ・ロータが断線しても修理が可能なので、交換しても手元に残すことをお勧めします。
・ロータを取り外すには、特殊工具が必要になります。
・社外品(USA製)に、発電電流を400W(ノーマルは、240〜280W)の高出力にすることが出来る、キットが販売されています。
ステータコイルのテストとカーボンブラシの交換
充電不慮が発生した場合、ステータコイル及びカーボンブラシのテストを行ないます。
ステータコイルのテストは、車体から外さなくても出来ますが、カーボンブラシを交換する場合は、車体からステータハウジング
ごと外す必要があります。
� � また、カーボンブラシを交換する場合、ハンダ及びハンダごてが必要になります。
ステータハウジング
ステータコイルのテスト
@バッテリーの−端子を外し、フロンとカバーを外します。
A配線Y・W・V・U、及び、カーボンブラシ部分の配線D−・D+を外し、ビニールテープ等で絶縁します。(上記の写真参照))
BステータハウジングとW・V・Uの各端子間をテスターで、導通をチェックします。
(導通している場合は、断線の可能性があります。)
C次に、W・V・Uの各端子同士でテスターで、抵抗を計ります。(抵抗値は、リペアマニュアル等で確認してください。)
カーボンブラシ及びカーボンブラシ押さえスプリングの交換(2づ� �あります)
カーボンブラシは、常にロータのリング部分に接触していますが、カーボンブラシが摩耗し短くなったり、カーボンブラシを押さえて
いる押さえスプリングが弾性を失い、カーボンブラシを押さえる力が弱くなってきた場合、発電不慮を起こします。
@ステータハウジングを取り外します。外す時に、カーボンブラシが引っかかるので、カーボンブラシを持ち上げて外します。
A外したステータハウジングから、カーボンブラシを固定しているホルダーごと外します。ホルダーは、ステータハウジングの
表・裏に固定用ナットが有るので注意してください。(上記の写真を参照)また、固定ボルトの片側はステータハウジ ング
から絶縁する為の物が付いていますので、無くさないでください。ホルダーを付ける時に、入れ忘れないようにしてください。
B次に、カーボンブラシをホルダーから取り外しますが、カーボンブラシはホルダーにハンダ付けされていますので、ハンダごてで
ハンダを溶かし、カーボンブラシ取り外します。ハンダを溶かすのに、少し時間がかかります。少しでも早く外した場合は、
ハンダを少し削り落としておくと、とけやすいです。
Cカーボンブラシを新品に換え、ホルダーにハンダ付けをします。また、同時にカーボンブラシの押さえスプリングも、新品に
交換した方がいいと思います。
Dホルダーをステータハウジングに取り付ける時は、取り外した時に外した絶縁物を必ず、取り付けてください。
(この場所が絶縁されていないと、発電不慮を起こします)
おまけ
ステータコイルを取り外す場合、Y端子(ステータコイル側)を外し、W・V・U端子部分のハンダを溶かして外します。
また、Y端子もステータハウジングから絶縁されていますので、取り付け時は必ず絶縁してください。
(この場所が絶縁されていないと、発電不慮を起こします)
ステータハウジングを取り付け後、W・V・U端子へ配線を戻しますが、もしも、W・V・U端子の配線がどのように配線され� ��
いたかわからなくなった場合は、配線を見ると判ると思います。(外した時の形になっていると思います。)それでも分からない
場合は、W・V・Uの端子へ適当につなげます。(問題ありません)
但し、W・V・Uの配線以外は、適当に繋げないでください。
ロータのテスト
古い車両は、このロータが劣化して断線し、発電不慮を起こします。
ロータを取り外すには、特殊工具が必要です。
ロータ
ロータのテストを行なう場合は、ロータを取り外す必要はありませんが、ステータハウジングを付けたまま行なう時は、
カーボンブラシを両方(前後)を持ち上げて、ロータに接触しないようにします。
ロータのテストは、ロータのリング部分間(D+とD−)の導通及び抵抗値を調べます。
(抵抗値は、サービスマニュアルで確認してください。)
・IGコイル
IGコイルは、エンジンの燃焼室で圧縮された混合ガスを、点火プラグで燃焼させる際に、点火プラグに必要な高電圧を
発生させる為の物です。(原理は、説明が大変なので省略します。)
IGコイルのパンク
モノサス以降の車両で、偶にIGコイルがパンクし走行不能になる場合が有ります。原因は、わかりませんが何らかの問題で、
IGコイルに負荷が掛かりパンクすると思われます。
また、IGコイルが未対策(どう理由の対策かは、知りません。ごめんなさい)の場合、IGコイルがパンクする場合が有ります。
対策?として、対策済みのIGコイルに交換する方法と社外品のIGコイルを使用する方法があります。対策品のIGコイルは、
純正部品の為、交換は容易ですが、社外品の場合、専用ステーの使用又はフレームの一部に加工や工夫が必要になる場合が
有ります。
� �� MEMO
・社外品を使用する場合、御自分の車両のIGコイルの出力が何Ωなのか知っておく必要が有ります。
(車種・年式によって、出力が異なります。)
・2本サスの場合、モノサスのIGコイルとは別物で、お互いに互換性があるかは不明です。
・2本サスのIGコイルは、6Vのコイルを2つ直列(それぞれのコイルが左右のシリンダーへ接続)に繋いでいる為か、故障が
無い(少ない)ようです。(これが、本当で関係があるか分かりません。)
・社外品に交換するとそれなりに、高出力で安定した高電圧を発生させ性能アップします。
・IGコントローラ(ブラックボックス)
IGコントローラ(ブラックボックス)は、カムシャフトの先端部にあるイグニッション・トリガー(フロントカバー内の金属製の缶)
より検出された信号(点火タイミング)を受け取り、その信号によってIGコイルへ、点火に必要な電気を流します。(フルトラ点火)
・2本サスは、IGコントローラをフルトラ点火と、昔からあるポイント点火式があります。ポイント式はフルトラ化にもできます。
MEMO
・IGコントローラ(ブラックボックス)は、3回も仕様が変更されています。それにより、IGコイルの出力時の抵抗値も変更され
ているそうです。(部品番号は同じで、文字の色が異なります)
・白又はピンク(写真の左2たつ)色の文字の場合、対応するIGコイルは1.5Ωになり、水色(写真右)の場合の対応する
� �� IGコイルは0.7Ωだそうです。
・新品をディーラーに注文すると、1番新しい水色の物がきます。
・新しいIGコントローラ(IGコイル0.7Ω対応)に交換した場合、以前についていた3Ωや1.5ΩのIGコイルを使用しても
問題がありませんが、今ついているIGコントローラと前のタイプ(文字が白又はピンクで、1.5Ωのやつ)と勘違いして、
古いタイプのIGコントローラと0.7ΩのIGコイルを組み合わせた場合は、IGコイルがパンクする可能性があります。
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